おんなしゃちょう何某の雑記〜2024.3リターンズ〜

おんなしゃちょうは 2024/3 出所しました。

拘置所にいた話 その1

裁判所に多額の保釈金を積んで保釈され、東京のど真ん中の地でアイスコーヒーを飲みながら、束の間の自由の身でこれを書いています。

 

あの地獄のような日々が、時間と共に記憶が曖昧になりつつあるのは、果たして良いことなのか。

 

私が約1ヶ月前は東京拘置所で勾留されていた人間だったと知ったら、いま目の前を通り過ぎて行く人たちはどう思うだろう。

 

 

私は東京地検特捜部の逮捕だったため、当初より東京拘置所に拘束されて、取調べから第2回公判終了までの120日を拘置所で過ごしました。

 

拘置所に送られるほとんどのケースは、まず警察に逮捕され警察署の留置所で身柄を拘束されてから検察の起訴により拘置所へ移送になるのですが、Wikiによる[特捜部]ページの

 

『政治家汚職、大型脱税、経済事件を独自に捜査する。一般的な刑事事件は警察による捜査および被疑者の逮捕が行われるが、この類の事件では最初から特捜部が捜査・摘発する場合が多い。』

 

この件に関連する逮捕者のみが即拘置所収容となるようです。

私の場合は、大型脱税又は経済事件になるのか。

 

拘置所の辛いところは、第一に自ら時間を把握することができないことだった。

居室に時計は無く、腕時計の持ち込みも許されなかった。勿論、スマホも逮捕時に押収されてしまっていて無いし、仮にあっても間違いなく持ち込むことはできないだろう。

 

唯一の時間を知る方法は、放送で流れるチャイムなのだが、しかし、これも時報ではなくて、起床や体操時間、午睡(昼寝)などのいくつかのスケジュールを知らせる為のものである。

 

第二に、一日中畳敷きの狭い部屋に座っているだけのため、体力が極端に弱ること。そうすると、必然的に精神も参ってくる。

 

平日15分くらいある、狭い囲いに移動しての運動と面会以外は基本的に居室で座っている。 

 

理由なく立っていると、座れと職員に怒られる。

 

 

第三に、これが一番大きかったことだが、何もすることが無く暇であること。

 

取調べが終わり起訴されたら、ずっと暇だった。

することがない日常はこれ以上ない苦痛であり、本当に心身を蝕む。

 

 

ここにいる、ただいるだけ、することのない人間が流されていく行き先は、まず、健全な精神が破壊される。少しづつではあるが、徐々に確実に破壊され、破壊され尽くしていく。

永遠の心の暗闇を彷徨い歩いている気分だった。

 

 

ネットで探すと、東京拘置所のことを(葛飾区小菅にあるから)小菅ヒルズだとか東拘ホテルと呼んでいる人がいて、本当に驚く。

 

私にとって、あそこは間違いなく地獄でした。

 

今でも、地獄と呼ぶ以外の表現の仕様がありません。